看護学科

【授業風景】看護学科2年「老年看護学概論」の様子です。

「老年看護学概論」授業で「スウェーデンの高齢者福祉視察」の講義を実施!

今回の授業内容は教科書にはなく、教員の視察研修内容を学生へ伝え、高齢者福祉の課題を考えるという特別講義でした。

学生の感想は以下の通りです。
講義前のスウェーデンに対してのイメージは「幸福度が高い」「高齢者が多い」などがありました。
しかし、講義後のスウェーデンのイメージは「高齢者へのケアが手厚い」が追加されました。
また、スウェーデンには「出来る限り積極的な生活を営み、自らの自立性を維持することが出来る」という
目標があるため、「寝たきり老人」という概念が無いことを学びました。

そしてファルケンベリ市では1人500クローネを支払えば特別住居に誰でも入居することが出来て、
この費用が払えない場合でも税金で支払われ、入居することができます。

スウェーデンと日本のこれからの課題として、高齢化と年金制度があります。
スウェーデンと日本は世界でも高齢化率が高い水準で、特に日本は今後も高水準を維持していくことが見込まれています。

高齢化率が高いことでスウェーデンでは年金給付の増大が国家財政を圧迫しています。賦課方式(年金支給のための必要な財源を、その時々の保険料収入から用意する)
である日本は年金をもらう高齢者と現役世代のバランスが苦しくなっていき、
2050年には現役世代1人で1人の年金を支えなければいけないという予測が立っています。
また高齢者の貧困化も起こっています。

課題の解決策として、高齢者の受け入れ体制を整える働き方改革や少子化対策が挙げられます。長期間労働・労働者の処遇の差の改善などにより
高齢者が働きやすい環境をつくり、高齢者の雇用を増やすことで労働人口の減少を抑制し、年金制度の対策につながると考えます。

そして家庭や地域社会での子育て支援の整備・母子保健医療体制の充実などによって少子化対策を行い、高齢者と現役世代のバランスを
とることができるのではないかと思います。
日本は近づく2025年問題の対策のためにも政府による取り組みが重要になってくると考えられます。
私はスウェーデンで行われているこれらの政策から、老後の安定した生活が確保されることで、働くことへの意欲がわき、
長く働く人が増えるのではないかと感じました。

そして、日本でも高齢者介護施設から高齢者住宅へと変え進めていき、より高齢者のできることを尊重した、
個人個人が好きな環境で出来る限り自立した生活が出来るようにしていくべきだと感じました。

しかし、2025年問題であるベビーブーマーである高齢者の増加による住宅不足が懸念されます。
そのため出来る限り早くスウェーデンのような高齢者に対する政策を進めていくべきだと感じました。

特別住居では自分の家から馴染みのある家具を持ち込み、自分の家にいるような気分で過ごすことができます。ミシンの持ち込みなどもでき、趣味の裁縫などをして楽しむこともできます。

他にも、アルツハイマーなどの認知症の高齢者に対しての取り組みとしては「特別な住居」という24時間介護
(緊急アラームを腕時計のように付けて異常があれば知らせることができる)の介護住宅と自立できる
高齢者を対象としたサービスハウスに分けられて生活することが出来たり、「シルビアシスター」という認知症ケアのスペシャリストが
認知症本人へのケアとその家族のケアや教育を行う事によって認知症本人の症状の緩和はもちろん、家族の誤った認知症に対しての
考え方や接し方を教育したり、認知症本人に対しての思いや不安を相談し改善できるなどと、この取り組みは必要だなと感じました。

認知症患者に対してのケアの例として、「タクティールケア」という全身に軽く触れたり、撫でたりする事により精神的な安定や痛みを緩和したり、
安心感を得ることが出来るなどとたくさんのメリットがあるんだなと思いました。
私も、人の温かい手で背中を撫でてもらったり、手を握ってもらったりしたことによって安心感や幸福感を得た経験があったので、
今回改めて手一つで誰かの心を救うことができるんだなと素敵な気持ちになりました。

これから高齢者の看護を担っていく学生の今後の活躍に期待します。また、この日は公開授業であり、参観いただいた先生方より貴重な、
意見・感想をいただきました。
ありがとうございました!

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