【授業風景】社会科授業のパラダイムシフトを。
◆教育学科の授業を紹介します。第5回目は,關浩和先生の「初等社会科内容論」です◆
社会科授業は,これまで学校教育で学んできた学生にとっては,どうしても暗記科目のイメージがあります。
学校現場では,教科書をそのまま教える国語科的社会科授業が当たり前になっています。そのイメージを変えること(パラダイムシフト)を第一に取り組んでいます。
授業は,知的に楽しくなければなりません。そのためには,子ども理解(発達段階の理解)と教材研究,授業づくり,そして,教師のパフォーマンスや人間性など,指導する教師の力量形成が重要です。
この授業では,主に,初等段階での各学年に示されている学習指導要領の内容を授業化していくために重要な教材研究の意義を中心に学んでいます。次年度に開講される指導法科目である初等社会科教育法につなぐための重要な科目となっています。
プレゼンの資料提示を中心に,板書で重要なキーワードを補足しながら,なるべく具体的な実物や地図,手作り資料を持ち込むことを心がけています。講義の終わりには,リフレクションカードで自らの学びの振り返りをしてもらい,次の講義の冒頭で紹介することで,学生の知識共有化knowledge sharingを意図しています。
【学生の声(講義後のリフレクションカードより)】
・地図を見るだけでも,見方,索引の使い方一つで,より早く探せることや,緯度・経度から地理的特色を探れると知れた。4つの目は,授業がつまってしまった時,新しく,より良くしたい時に使って,同じ教科書でも見方を変え,児童にも幅広く見せるようにしたい。情報化によって,新しいことがたくさん起こるけれど,視野を広くして対応していい授業をしたい。
・確かに農業は,他の産業と比べて小さいもので手に入る金が少ないものだと思ったし,1石で一人を養うことができると知って,加賀ってすごいんだと思った。他にも稲の陸稲や水稲の違い,日本米は短粒米で,長粒米は世界で80%も占めていることには驚きました。
・今回の講義を受けて,産業学習について詳しく知ることができ,第一次から第三次まで繋がりがあることに驚いた。また,地図を見る際に索引をすることで,早く見つけることができたので,授業で教える際に,活用したいと思った。そして,お米の種類が1種類でないのが衝撃でおもしろかった。
・社会科では必要な4つの「目」があるということを初めて知りました。鳥・虫・魚・心で表現されているのがおもしろいと思いました。お米の品種改良についてまったく何も思ってこなかったけれど,理由を知るとすごく考えられているんだなと知りました。
・エッセンシャルワーカー(必要不可欠)を学んで,人々が日常生活を送るにあたって,どれだけ欠かせない存在なのか,またどれだけ大きな存在なのか,とてもわかりまし。今回初めてエッセンシャルワーカーという言葉を聞いて,とても尊敬の意が出てきたし,小学校の先生も必要不可欠なので,もっと頼られる存在にならないといけないと自分自身も考えさせられました。