1年生 成長を実感 ~排泄の援助~
「看護技術論Ⅰ」の授業で演習【排泄援助の技術】を実施しました。
演習1はベッド上安静患者が尿意・便意を訴えた際の床上排泄の援助です。
排泄の援助は患者さんにとって大変羞恥心を伴います。そのような気持ちが理解できるよう患者役の学生は短パンやスパッツの上から陰部モデルを装着しその上に下着、ズボンを装着して実施します。
実際に患者役をしてみて、「ナースコールを押して排泄を伝えるだけでも緊張する。」「陰部モデルであってもとても恥ずかしい気持ちになった。」「素早く丁寧にしてほしい。」「今から何をするのか説明してほしい。」「身体を起こすだけで腹圧のかけやすさが全然違う。」という意見が出ました。
女性の尿器について、「(看護師役が)当てるのが難しい。本当にこぼれないか心配。」「手が届かないから看護師さんに固定してもらうことになり恥ずかしい。」
また、便器の違いについて、「ステンレス製は服の上からでも冷たさが伝わったため事前に温めることが重要。」「ステンレス製の便器は痛い。和洋折衷式の便器はクッションがついていて痛くない。全然違う。」ということが分かりました。
看護師役は「視線にも注意が必要。」「患者さんを待たせないよう段取りをしっかりしてスムーズに行えるようにする必要がある。」「全てをしてしまうのではなく患者さんにできることはしてもらうという自立を促す目的も排泄援助にはあった。そうすることで援助がスムーズに行え、患者さんにもメリットがある。」「方法に絶対の正解は無く、患者さん一人ひとりで最適な援助は変わるため臨機応変に行う必要がある。」などの学びが得られました。
演習2は80歳で下肢に筋力低下があり自力歩行が困難な患者の設定で車椅子に移乗して身障者トイレでの排泄援助を行いました。
既習の体位変換の技術、移乗・移送の技術を思い出しながら実施しました。
演習2は1グループ10分という短い時間の中での実施でしたが、「手すりまで遠いと怖い。どこを持って動いたら良いかしっかり誘導してもらえると安心。」「身長差があると不安定になりそうで怖かった。」「タイミングを合わせる声掛けがあると移乗しやすい。」「呼び出しボタンを押すと光って音がなり、外から分かる仕組みが凄いと思った。」といった学びがありました。
演習後に2つの演習について患者役と看護師役とで感じたことや考えたこと、配慮してほしい点と気を付けなければならない点をグループで振り返り、全体でも振り返りを行いました。
最後に今回の授業で自分の分からなかったことが分かった、気付いていなかったことに気付けたなど成長したと思うか学生に尋ねたところ、全員が大きく手を挙げていました。今回の演習でも学生は大きく成長を実感することができました。
次回は感染管理認定看護師による講義です。感染防止技術の実際だけでなく認定看護師の制度や看護師のキャリアについてもご講義いただく予定です。